人の上半身は描けるけど、全身の絵を描くのが苦手で困っている。
表面的な知識で「なんとなく」描いてはいるけど、知れば知るほど人体を勉強する必要性に気づいてきた・・・。
そんな私と同じような悩みを持つアナタにオススメしたい解決策が、美術解剖学というもの。
人体の知識なんて「必要ない」と思われるかもしれませんが、実はかなり重要。
かく言う私も人の体(全身・動き)を描くのが苦手で悩んでいたんですけど、Colosoの「トモゼロさんの講座」を受けた際に「体の知識を付けること」が重要と言う事を知りました。
そして、たどり着いたのが美術解剖学というものだったのですが、なんとColosoの講座に「描きながら身につける美術解剖学入門」なるものが新登場!
美術解剖学についての本を多数出版されている美術解剖学教員の加藤公太さんが講師となっている動画講座なので、内容の充実度はお墨付きです。
そんな「描きながら身につける美術解剖学入門」のオンライン講座を、Coloso様より提供して頂きましたのでレビューをご紹介。
講座の内容としては「美術と医学の知識を基に美術解剖学を理解し、描き込み式教材で人体の基礎から作品制作に応用するスキルを分かりやすく身につけられる講座」ということで、まさにイラストレーターとして体を描く際のパフォーマンスを上げられないかと悩んでいる方に、最適なものになっています。
美術解剖学を学んでみたいけど、どこから学んでいいか分からない。
そんなアナタにピッタリのオンライン講座ではないでしょうか。
ちなみに現在私は、どっぷりと「美術解剖学」にはまっております・・・・。
目次
Coloso「描きながら身につける美術解剖学入門」について
まずは、描きながら身につける美術解剖学入門の内容を紹介しておきます。
こちらの講座は、一回の購入で無期限視聴できるものとなります。
オンライン講座の場合、回数制限があったり、一ヶ月以内などの期限が決まっているものもあるので、無期限視聴は有難いの一言です。
- 解剖学的な形と構造を学ぶ
- 骨・筋・体表 人体構造の基礎を網羅
- 美術解剖学の応用を理解
- 解剖学の現場知識を伝授
- 作品の違和感に気付ける「目」を養う
- 有名作品の内部構造を解析
主な内容としては、上記のような内容を学ぶことが出来ます。
「難しそう・・・」と思われるかもしれませんが、見始めると「面白い」のが不思議な学問です。
講師「美術解剖学教員 加藤公太さん」
講師は美術解剖学教員 加藤公太さん。
- 名画・名彫刻の美術解剖学 名作の起伏から内部構造を判別する
- スケッチで学ぶ美術解剖学
- スケッチで学ぶ 動物+人比較解剖学
Amazonで「加藤公太」を検索してみると、上記のような書籍が出てくると思いますが、書籍の価格は高めに設定しているにも関わらず、高い評価を得ています。
「美術」と「医学」の両方の観点から解剖学を学んだ経歴があるということで、内容が充実している結果ではないでしょうか。
ご本人もおっしゃっていましたが、医学の知識があったとしても美術の技術が無かったりすると、正確に伝えられなかったりもする(逆もしかり)ので、東京藝術大学 デザイン科を卒業されている加藤公太さんの伝える内容は評価を得ているのかもしれません。
今回の「描きながら身につける美術解剖学入門」では、骨・筋・体表といった人体の部位別の基本構造を学んだ上でのイラストへの活かし方を学べるとのこと。
「何故ここの筋肉が、このような形で出ているのか?」などを、納得した上で描くことが出来るようになっていくため、体のイラストを描いている際の違和感をなくしていけるのです。
また、ただ観るだけの講座ではなく、36点もの「描き込み式教材」が入っているのも嬉しいところ。
講座の終盤では有名な美術作品を例題に、どのように知識が活かされているかも解説されています。
- 本数:31本の映像
- 難易度:初級
- 無期限視聴
- 使用プログラム Procreate
- 動画:オンラインVOD
- オーディオ:日本語
- 字幕:日本語
- 作品数:36点
なお、講座で使用している「Procreate」はiPadで使用できるイラストソフトですが、特にProcreateを使用しなくても受講できる講座になっていますので、持っていない方も安心してください。
Procreateってどんなソフト?と思われた方は、以下の記事も参考にどうぞ。
さて、人体を表現するあらゆるアーティストにとって有益な学問である美術解剖学。
正直なところ「とっつきにくい内容」ではあるので、動画でわかりやすく解説してくれるだけでも私にっては有難い講座になっています。
描きながら身につける美術解剖学入門|動画を観た感想
では、描きながら身につける美術解剖学入門を観ていきます。
動画の閲覧にはColosoさんのサイトにログインをして、マイ講座室から受講するを選択するのみ。
各セクションごとに分かれているし、動画自体も倍速、繰り返し再生、字幕の設定なども出来るので、動画自体は非常に観やすいです。
ということで、オリエンテーションから観ていきます。
※講座内容を全てレビューするとネタバレになりますので、簡潔に感じた事をまとめています。
オリエンテーションの口コミ
最初は講座内容や講師紹介から入りました。
解剖学の情報をコンパクトにまとめたものが美術解剖学という根本的なところから解説。
筋肉は表面的なものですが、取り外して裏側を見てみるとまた違う・・・といった、実際に人体を解剖してきた人だからこそわかる観点・話もすごい。
そして、一通りの人体の構造をまとめたものが今回の講座「描きながら身につける美術解剖学入門」ということで、こうやって描いたら正しい・正しくない等の観察力を高められそうです。
体表の勉強として、起伏を学ぶことが重要というのも、オリエンテーションで理解できました。
理由なく筋肉は膨らまないということですね。
また、筋肉の溝を拾っていって、どのように膨らんでいるのか?をトポグラフィー(上の写真)という方法で解説しているので、理解をしやすいのも嬉しいところでしょうか。
なお、こちらの「描きながら身につける美術解剖学入門」では男性の体をベースに解説をされています。
女性の体は皮下脂肪量が多く、溝が見えにくいところもあるため、男性をメインで勉強をしていくとのこと。
ちなみに、美術解剖学では、頭の先から爪先まで、順序よく学んでいただくカリキュラムが組んであるので、全身をマスターできます。
全身を知ったうえで理解しにくかった部分を再度見直す。
そんな学習スタイルで進めていけば、美術解剖学をより理解できそうです。
美術解剖学の教材の紹介と勉強方法
美術解剖学を学ぶと画力が上がる・・・人体もしくは生体に対する観察力があがると言われていますが、実際には「観察力が上がる→表現力があがる」という意味合いとのこと。
今回の講座を観させていただいたことによって、確かに自分も「手や顔を見ても、起伏の意味がわかる」ように、ちょっとだけなりました。
その結果、確かに表現力が上がっていると感じています・・・不思議ですが。
人は、理解したものを描くのと、理解していないものを上っ面で描くのとでは違うようですね。
同じようなことを「モ誰さんのColoso講座」でもおっしゃっていたので、有名なイラストレーターさんは、往々にして美術解剖学を学んでいるのかもしれません。
なお、レオナルド・ダヴィンチであったり、アルブレヒト・デューラーなどの有名な画家さんは美術解剖学を学んでいるようです。
ちなみに、漫画はデフォルメされている状態で人体が描かれていますが、人体の構造を知っていれば「どこをデフォルメすればよいか?」も理解できるので、応用も自由自在になります。
美術解剖学の勉強方法としては、解剖図などの資料を模写をするのがベースとなり、絵が下手な人の場合にはトレースをするのがオススメのようです。
全身のプロポーションについて
美術で使われているプロポーションについても解説がありました。
八等身と7.5等身をベースに、どのように描けばバランスよく描けるか?がまとまっている感じ。
何故八等身で描かれることが多かったのか、等身を使って描く場合の考え方などの解説があったのですが、私はかなり参考になりました。
肘が曲がる角度、腕の回転など、骨と筋肉の動き方がわかっていれば「無茶な体制のイラストは描かなくなる」という感じでしょうか。
なお、年齢別のプロポーションとしてみると、胴体の比率自体は「あまり変わりがない」と言う所に驚きました・・・。
年齢を重ねるにつれて比率で言うと頭は小さくなるけど、腕や足は長くなるってところを表現できれば、年齢別のイラストもまとめられそうです。
骨学・関節学・筋学など
そして、骨額の学習へはいっていきます。
骨の種類と構造について解説をしているのですが、かなりわかりやすい。
骨の真ん中は空洞(髄腔)になっているなど、上っ面だった知識が固められていくイメージです。
筋肉は骨を引っ張って動かすため、接着面となる骨がボコボコとした形状になっていたりする・・・・というのも、理由を知ると納得できる。
解剖学は骨が基礎となっているようなので、解剖学がわからなくなったら骨格を再度勉強するとよいみたいですね。
ちなみに私は、頭の骨の形を理解することで、首がどこから伸びるのかを描きやすくなりました。
また、手を描くのが苦手だった自分ですが、骨の骨格を理解したことによってバランスの崩れを防ぐことが出来るようになったと感じています。
そして、関節。
運動の軌跡を描いてみると、動きが理解できるということで、こんなイラストをベースに解説をされていました。
普通に絵が上手いと思ってしまいましたが、この画力がないと「受け手の理解度」が高まらないので、加藤公太さんの講座はやはりオススメですね。
なお、真正面から歩いてくるところを描いたりすると、更に理解が深まるということなので、一度試してみてはいかがでしょうか。
そして筋学。
どんな骨に付着して、どういう配置をしているか?を描きながら紹介してくれていますので、その形のポイントがわかってきます。
解剖を実際に行っている加藤公太さんだからこそわかる「正確な構造」になっていますから、その筋の働きまでも理解できる感じでしょうか。
力こぶを作ってみる際に、こぶしを手前に向けると「ふっくら」と盛り上がり、こぶしを目線の先にもっていくと「平たい状態」になりますが、その際の筋の動きを理解出来ると言えばわかりやすいかもしれません。
このような知識をどんどん蓄積させることによって、●●なポーズを描きたいと思ったときに、「間違ったポーズ」を描かなくなると思います。
まとめ
じっくりと学びたい想いもありますので、「描きながら身につける美術解剖学入門」の全ての動画を拝見したわけではないんですけど・・・イラスト制作に確実に役に立つ知識だと感じました。
イラストを描く際に「なんとなく体を描いて」失敗していた私ですが、骨がこうやって動くからココは間違えている!と、ハッキリと思えるようになったところは、完全に美術解剖学のおかげです。
なので、例えば「手を描くのが苦手」な方であれば、その部分の美術解剖学の知識を得てみると、描き方に大きな変化を起こせると思います。
たくさんの写真を見ながら「クロッキー練習」をしても伸び悩んでしまっているとしたら、美術解剖学を是非学んでみてください!
解剖学をどこから学んでいいか分からない、そんなアナタに「描きながら身につける美術解剖学入門」はピッタリのオンライン講座です。
イラストをもう1段階高めたい、人を描くのが苦手だ!という方は、詳細について、Coloso公式ページをお確かめください。